空蝉

喪男の現実

自分の価値は他人が決める

 新社会人になる喪男の皆さん。「自分の価値は他人が決める」という言葉をご存知でしょうか・・・ってビジネスブログみたいな冒頭になりましたが、サラリーマン社会においてこの言葉は事実です。

 つまり喪男は最初からハンデを背負って競争をするようなものです。周りにイケメンがいたり若い女性が多ければ尚更です。「学生と社会人は違う。仕事なのだから外見は関係ない」とおっしゃいますか?なぜか女によく言われるんです。それでいて美人の女がほかの同僚女にいじめられているのですから笑い話にもなりません。

 女は外見が良すぎてマイナスになることもありますが、男はまずありません。ここまでは納得してもらえるでしょう。ならば外見の悪い男は最低でも相対的にマイナスになるに決まっているのに、これをストレートに言うとなぜか反発されるのです。

 もちろんハンデを背負うだけであって、一着になれないというわけではありません。ただハンデが大きければ大きいほど、真面目にレースに挑むのが馬鹿らしくなるのは当然でしょう。

 念のために言っておきますが、「俺はこんなに頑張っているのに上が評価してくれない」というサラリーマン漫画のテンプレのような主張をしているわけではありません。むしろそれ以前の、仕事でも社内行事でもみんなイケメンの応援をする(スポーツだとそれが露骨に出ます。こっちが上手くても)状態で決められた「自分の価値」なんてくそくらえだ、と言っているだけです。

喪男とアイドル

 喪男の中には、アイドルにはまっている人もいます。それは喪男がはまりやすいものの一つとして否定はしませんが、私には「嫌な思い出」があります。

 大昔の話ですが、私はおニャン子クラブのファンでした。やがて解散しメンバーはそれぞれの道を歩み、結婚する者も出てきます。それは想定の範囲内です。しかし主要メンバーの結婚相手のほとんどは当時のプロデュース側のスタッフなのです(※)。メンバーの結婚ラッシュは私が20代の頃でしたが、「ああそういうことなのね」と妙に悟ったものでした。

※詳しくは書きませんが、それは見事なものです。スタッフ側にとっての「草刈り場」といってもいいくらいです。

 

 現在のアイドルの結婚相手の主流は「青年実業家」です。「喪男は金目当ての女を馬鹿にしているのだから、アイドルも批判されるべき」というトンチンカンな主張をする人がたまにいますが、それは的外れです。あくまでも遠くから見つめる花としての愛し方であって、裏では食虫植物だから愛さないなどということはありません。自分が食われる可能性は0、花の見た目が美しければそれでいいのです。そしていつまでも枯れた花に執着せずに新しい花を愛でる、それだけのことです。枯れた花にこだわる人や、高嶺の花を独占したい人は、少なくとも三次元のアイドルを応援するには向いていません。

顕著な事実

 今回は法律談義(?)です。「顕著な事実」という言葉があります。実はこれ、立派な法律用語なのです。

 民事訴訟法 第179条(証明することを要しない事実)

 裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。

 自白は措くとして、要はいちいち分かり切ってることは立証する必要はない、ということです。例えば「愛知県は日本国に属する」なんていちいち裁判で議論していられません。実際の裁判でこんなことが「顕著な事実」とされています。

日本語を母国語にする者にとって「R」と「L」の発音の区別が難しいこと(東京高裁1999.11.16)

「寿司」と「うなぎのかば焼き」が異なる食品であること(同上.12.16)

    さて、「女はイケメンと喪男相手では態度が違う」とか「イケメン相手でない場合、ほとんどが金目当てか妥協の産物である」などというのはどうでしようか。私は顕著な事実であると思います。私は事の是非を問うているのではありません。事実かどうかを問うているのです。もっとも女が表向きこの考えを否定しつつ、実際は肯定することもまた顕著な事実でしょう。

 

参考文献  長嶺超輝 裁判官の爆笑お言葉集 幻冬舎新書

 

 

SNS嫌い

「なんでSNSやってないんですか」

「別に理由なんかないよ」

「そうですか。わかりました。」

 

分かってないですね。それが答えです。誰も誘ってこないからです。

 

終わりのはじまり-北海道新幹線開業ー

 北海道新幹線が開業しました。乗り鉄の私にとっては喜ばしいことなのですが、「とうとう来たか・・・」という出来事でもあります。なぜならこれとあともう少し残している路線に乗ってしまえば国内鉄道全線制覇達成、やることがなくなってしまいます。厳密にいえばこの後も新しい路線はできていくのですが、さしあたってはっきりしているのは震災から復旧する常磐線です(※)。

※同じ場所に線路を引き直す場合は乗り直しの対象にせず、線路を移転して引き直す場合は乗り直す対象にするマイルールです。

 新幹線のように手放しで開業を喜ぶというわけにはいきません。もっとも、北海道新幹線にしたところで多額の赤字が予想されることやJR北海道の現状を考えると前途多難です。

 それでも、鉄道も人生も即止めてしまうというわけにいきません。明るい未来がないとわかっていながらも、進むしかない。ちょうど鉄道に例えるなら座席に後ろ向きに座って前進し、流れていく過去を惜しみながら、後ろからやって来る未来にとまどっているのです。いつ着くかわからない終着駅におびえながら。

引かれ者の小唄

 送別会の季節。シフトのせいで参加できないのはかまいません。というよりむしろ喜ばしいことです。行ったところで一人寂しく飲むのは確定なので。ただ、1日前になって(私のシフト終了後開始の)2次会に誘うのはやめてください。

 (1次会がいつ終わるかわからないから)開始時間未定、(急に決まったから)場所未定、って、普通に1次会終わってからの「よーし今から2次会やるぞ」でいいんじゃないでしょうか。一応誘ったというアリバイ作りなんて私には不要なのに。

 というわけで、明日は北海道新幹線開業のニュースを見ながら祝杯を挙げることにします。もちろん、自宅で独り。

甲子園おひとりさま

 甲子園で高校野球を見るのが大好きですが、かなり頑張らないと日帰りできないところに住んでいて、おまけに様々なこだわりがあるため観戦は困難を極めます。

①地元万歳、見るならアルプス

地元高校を応援するならアルプス席というのは説明不要でしょうが、強豪高の応援となると喪男には途端にハードルが高くなります。事前に学校関係者にアルプス席のチケットが割り当てられて、卒業生でなくてもそういう伝手でチケットを入手することが可能ですが、これがきついのです。単に友達が少ないというだけではなく、わが地元の強豪校は、女の多い学校がほとんどなのです。

②いい席で見たい

本当にいいところは学校関係者が占めるとして、残った中でいい席を探すのが困難です。しかも私の場合はもう一つ条件が付きます。チアガールから遠いところ、です。たまたまチアガールの近くに座っていた時、何もしていないのに警官に呼び止められて以来そうすることにしました。

③一番前には行きたくない

実はアルプス席の最前、フェンス際には学校関係者は座りません。チアガールもいません。しかしながら、なぜかリア充と選手にアピールをするなんちゃって女子高生の巣窟になります。球場全体を俯瞰的に見るどころか、野球そのものをほとんど見てません。

 結局ひとりアルプス上段で静かに観戦することになります。喪男はここでも孤独です。母校が出れば違うのでしょうが、私に女友達ができる確率といい勝負です。とりあえず、勝ったら誰かと抱き合ってみたいですね。男同士で。女と抱き合ったらまた警官が来そうなので・・・。