空蝉

喪男の現実

合コンの思い出

 必要のない時に話しかけられるといえば、合コンはその最たるものでした。ええ、もちろん人数合わせで数回しか行ったことはありません。私の役割は人数が揃うことによって合コンがお流れにならないことと、下手なことを言って場の空気を壊さないことだけです。

 だから自己紹介の後は基本的に黙っているのですが、イケメン争奪戦に敗れて暇なのか、こんな不細工にも話しかける私っていい人アピールなのか、何回か向こうから話しかけられたことがあります。

 態度の違いを隠そうともせずに話しかけてくるくらいなら、黙っててもらえませんかね。俺にだけ職種も連絡先も聞かないって露骨すぎでしょ。何か話をしろ?今までの態度を総合すると単なる暇つぶしでいいんですよね。県予選も近いから高校野球の有力校と展望について・・・ああ、あなたも一応話に参加できるように応援のコールの仕方についても話しましょうか。応援なら女も強制参加だったでしょ。

 ええ、我々に女心がわからないのは承知してます。それを批判するのもいいでしょう。けど、平等だというなら話しかけてほしくないという態度を取っている男心も少しは理解していただけませんか。