空蝉

喪男の現実

扱いきれません

 国内旅行でも当たり前にキャリーバッグを使うようになったのはいつからなのでしょうか。昔に比べれば軽くて丈夫なのだそうで、見ている限りでは確かに楽で便利そうです。私はボストンバッグとリュック併用という昔ながらのスタイルですが、それ自体は好みの違いで別に文句を言うことではありません。

 しかしながら、キャリーバッグを扱い切れていない女の多さには閉口します。ボックス席の通路に置くのはまだましな方で、満員なのに座席部分に置く人もいます。狭い通路を歩くのに横側に持って引っ張っている人もいます。同様に狭い階段をゆっくりと上られる方もいらっしゃいます。怒りませんからエレベーター使ってください。急いでいるならこっちも急いでいるので速く上ってください。

 「それくらい大目に見ても」「重いのだから」優先されるべきは自分の都合で公衆道徳ではありませんかそうですか。「これだから喪男は心の狭い」はい、広いとは思いません。が、鉄道車両でのベビーカーはたたむべきか否かという論争で、当の鉄道会社までそのままでいいと女の味方になったのに、いまいち支持が広がらないのは喪男ばかりのせいではありませんよ。

時刻表2万キロ

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine

 喪男について書くという立場を捨ててずっとこの本の話をしていたいけど、そういうわけにもいきません。軽く説明をしておくと、「時刻表2万キロ」とは宮脇俊三氏の鉄道紀行文で、世に乗り鉄趣味の者を増やしたとんでもない「悪書」である。

 私が初めて読んだのは中学生の頃。鉄道趣味へとはまり込む原因となり、そして「阿呆らしき時刻表極道」のまま歳をとってしまいました。

 こうしてただでさえモテない男たちが「乗り鉄」という強固な鎧を身にまとい、立派な高齢喪男になっていきました。そしてそのほとんどが微塵の後悔もなく、今でもこの本を愛読していることを考えると、宮脇氏の罪は大きいと言わざるを得ません。その道にはまらなければ今よりもましな人生だったのか、モテていたのかはさておき。

夢の終わり

 ネットの一部では、某声優がAV出演疑惑があるということで賑わっています。AV好きの立場から言わせていただくと、じつに馬鹿馬鹿しいの一言に尽きます。

 出演が本当だとするならば、本人サイドの反応は下手を打ちました。「本人ではない」と言い切ったのですから、メーカーは喜んで再販するでしょう。大昔にも同様の騒動がありましたがあまりにも時代が違いすぎます。私がここにリンクを張らなくても、検索をかければ(18歳以上であれば)合法的にその動画を視聴・購入できる時代なのです。 

 嘘だとするならば、裁判とまでは行かなくても、内容証明でも何でも送って徹底抗戦(の構えだけでも)すればよかった。それは本人を守るというよりも、ファンに対する礼儀です。本人が違うって言ってるから違う、という事務所としては逃げ道満載の、本人としてはもう逃げられないコメントを発表するくらいならその方がはるかにましです。

 今回の騒動を馬鹿馬鹿しいと思うのは上記のような経緯よりも、そもそも女に夢見すぎ、という根本のところにあります。喪男とアイドル(3/29付)にも書きましたが、あっちがしたたかならこっちもせめてしたたかに、枯れた花からさっさと乗り換えるくらいの心構えが必要です。ただのAV好きとしては、三流まで含めればアイドル、モデル、女優、声優が過去にAVに出ていたなんて、疑惑じゃなくて確定だけに絞っても数が多すぎてもう・・・

代償なき場合の代償

 実現不可能な欲求は、実現しては駄目なのです。多くの一般人はそこで代償となるものを見つけます。たとえば、女を抱きたいだけなら風俗に行けばいいし、コスプレ好きならそういうところもあります。しかし、いわゆる「異常性癖」と言われる者に行き場はありません。そして彼になまじ知能と実行力があるために多くの人間が不幸な目に遭ってしまうことがあります。

 「排除すればいい」。とても簡単なことですがその結果さまざまな犯罪が起こります。面白いのはその後「異常者」にいかに近づけないようにするかという対処療法だけで、「異常者」をどのように減らすべきかという根本的な主張がほとんどなされないことです。もっともそれは当然で、そうしようと思えば「異常者」の声に耳を傾けなければなりません。自ら名乗り出ないだろうって思われますか?あなたはロリコンを正常と考えますか?(私は実行しない限り単なる性癖の一つと考えます)事と次第によりますが、秋葉原にでも行けばロリコンの主張はいくらでも拾えます。

集団と喪男

 桜の写真を撮るために公園に出かけました。当然のことながら花見客でいっぱいです。花より団子、集団で花見をすること自体を非難はしませんが、マナーの悪い連中はどこにでもいます。花見に限りませんが、集団になると急に気が大きくなるのはどうにかしてほしいものです。

 喪男には女をはじめ数多くの敵がいますが、この集団(心理)も結構な強敵です。数を頼みに横車は平気で通しますし、間違いに気が付いてところで誰も謝りもしないし責任も取りません。集団になれば喪男だって同じだろう、と思った方がいるかもしれませんが、集団でうまくやっていける喪男なら、そもそもこんなこと考えもしないでしょう。喪男が集団のイニシアチブを取って上手くいった有名な団体行動ってあるのでしょうか。

 ここで勘違いをしないでいただきたいのは、喪男個人主義ではありますが、利己主義とは限らないことです。もちろん人間ですから利己主義の喪男もいるでしょうが、そういう奴はそれこそ集団のいい餌食でしょう。

 

振り向くな君は美しくない

 年度末、といっても私には何のかわり映えのない一日でした。この一年(度)を振り返って嫌な出来事は当然ありましたが、その内容が2年前のそれや3年前のそれとほとんど変わらないのが悲しくなります。

 喪男に限って言えば、立ち止まったり振り返ったりしたら基本的には負けです。自分の将来を真剣に考えたところで明るい材料なんて発見できないのですから悩み苦しむだけ損です。だからこそほとんどの喪男が趣味に没頭するのです。時に病的なほどに。

 趣味に走り切って、将来困ったらどうするか。それも考えたら負けです。せいぜい困る時期がすこし先になるだけの話で、ならば走り切って転げた方がましです。どのみち最初から敗者なのは確定していて、美しく散るなんてできないのですから。